◎自分の顔を見れるようになってきた話
鏡で自分の顔を見れなかった。
大学を中退して、人生下り坂になってから、ずっと。
それ以前は毎日のように自分の顔を鏡で見れていたのにね。
あれから10年くらい経ったか。
朝に顔を洗うときにも自分の顔を見れなかった自分が。
最近になって、普通に自分の顔を見れるようになっている。
顔の造形自体は20代の頃のほうが良かったと思うけれども。
なんというか......顔から発するオーラ(?)が良くなっている気がする。
あとは......顔つきかな?
見れる顔になっている。
なんで?
20代の頃に比べたら太った。
頭の回転も、記憶力も、衰えた。
人間としての性能は20代の自分のほうが勝るはず。
なのに......なんでだろうか。ゆるブラックな企業で働きつつ、休日は神社にばかり行くような男が。なんで?
なんでだか、真正面から自分の顔を見れている。
でもまだ、たまに見れた顔じゃない日もある。
顔の造形自体に違いはないというのに......。この差はなんだろう?
自分がイイ顔をしているとき、見れる顔をしているときって、どういうときなのだろうか?
たぶん、イイ顔をしているときは良い選択をしているときなのだと思う。しかし一体何を選んでいるのか......。
イイ顔でいられる人生でありたい。
イイ顔をしているときほど正しい選択をしていると信じたい。
◎カオナシが出てきた夢
今週のお題「夢」
子供の頃。
一時期、毎晩のように『カオナシ』が夢に出てきていた。
カオナシとは、千と千尋の神隠しに出てくる、あのカオナシである。
子供の頃の自分にとってカオナシはマジで怖いキャラクターだった。
悪夢だったよね。必ず夢に出てくるんだから。
最初は怖がって逃げ回るばかりだった。
あるとき、作戦を立てた。
『次またカオナシが出てきたら、ああしてやろう』と。
問題は夢の中でその作戦を思い出せるかだが......思い出せた。
作戦の内容は『カオナシと仲良くなる』だった。
今の自分なら全力でカオナシを討伐にいくのだが、当時の僕は和解を選択していた。
基本、争えない性格だったから。
カオナシに恐々話しかけてみると、カオナシは襲ってこなかった。
それから毎晩、僕は夢の中でカオナシに話しかけた。
カオナシは特に何の返事もしなかったけど......最終的には縁側で隣り合って日向ぼっこをする仲になった。
カオナシと仲良しになった日から、カオナシは夢に出てこなくなった。
なんというか......昔の僕は、害してくる相手とも和解しようとする強さがあったなぁ。
今では当時の経験も踏まえて和解できない相手もいることを学んだから、敵は敵として倒そうとするのだけど......。
本当の強さとは、僕が子供の頃に持っていた、誰とでも仲良くなろうとする心のことを指すのかもしれない。今の僕にはもう無理だけどね。
子供の頃にしか持ちえない強さってあるよなぁ......。
いつか子持ちの父親になる日がきたら、自分の子供から色々と大切なことを思い出させてくれる日もあるかもしれない。
童貞だけど。年齢=彼女なしだけど。
父親になれる確率低すぎるだろ。むしろこっちを夢にしてくれないかな?
童貞なら童貞で、せめて光の童貞でありたいな。
カオナシのような闇落ちした童貞ではなくて。
ハクのような光の童貞で、せめてありたいものです。