『反応しない練習』という、草薙龍瞬さんが書いた本がある。
ついついイライラする、ついつい不満が溜まる、そういうことを感じる回数を減らすための方法が書かれている。
俺も職場で色々と溜まっていることがあったので。これで精神衛生が良くなるのならと思って購入&できる範囲での実践をした。以下は実践内容。
1.何かが起きて負の感情が生じたら「いま反応した」と心で連呼する。
2.負の感情がイラつきなら「イラついている」、悲しみなら「悲しんでいる」と心で連呼する。
3.負の感情が起きた原因を、何かを判断したことにあれば「判断」と、妄想したことにあれば「妄想」と、何かを思い出したことにあれば「記憶」と心で連呼する。
4.最後に、自分がいま感じていることが「求めすぎ」「怒り」「妄想」のどれに分類されるのかを確認する。
だいたいこんな感じ。やってみて一ヵ月になる。
思ったことは......これまで執着して苦しんでいたことから解放されていっている。
マナー違反の人間を見て嫌な気分になったら「判断、判断、判断......あっ、これってただの判断なんだ」と。
嫌なことを思い出したら「記憶、記憶、記憶......あっ、これってただの記憶なんだ」と。
不思議なことに、判断・記憶だと気づくとそれが嫌なことであっても、そこに囚われなくなっていくんだよね。
コツとしてはひたすらに連呼する、ということ。
記憶、記憶、記憶と三回唱えたらOKとは限らない。
何十回でも連呼するほうがいい。内心で納得のいっていない部分が解消されて、本当にそうなんだと気づくことができる。気づけば苦しい執着から離れられる。例えば......。
「僕にはあの子しかいないんだ!!」→ただの判断です。
「あの時期のことを今でも思い出して苦しむ」→ただの記憶です。
こういう感じ。記憶は記憶、判断は判断なんだよね。あるけれど、真実かもしれないけれど、執着しないようになる。
執着していないものは、自分にとってあるけどないものになる。だから自分を苦しめていた何かから精神的に助かることができる。(行動して解決できることなら行動しろとは思う)
この本は本物だ。俺の精神衛生にも役立ってくれている。
特に「判断」に気づけたのは大きい。モラルだろうと常識だろうと、それによって善悪を決めていることは判断に過ぎないのだと。あくまでも判断なのだと。正しいのではなくて正しいという判断をしているのだと。
過去の苦い経験に囚われて行動に移せないようなことも、記憶記憶記憶と気づいていけば過去に囚われずに行動を起こせるかもしれない......!!
サマタ瞑想&ヴィパッサナー瞑想もやっているけれど、ここまでハッキリとした効果は実感できていない。その点、この本に書かれてあることの即効性は凄い。いや、瞑想のノウハウが活かされているからなのかもしれないけれど。
この本に書かれてあることは、判断記憶妄想に気づくことの有効性を俺に教えてくれた。凄い。地道に続けていこうと思う。