映画『ゴジラ-1.0』を視聴してきました。
なのでネタバレ有の感想を書きます。以下、ネタバレ注意。
えっ。スゲー。
面白かった。
暇になる時間が少しもなかった。プロット整理完璧かよ。
ゴジラの登場回数は少なめだったけど、ゴジラがいないと成り立たない映画だった。
こういうのによくある「これゴジラでやらなくても良くね?」っていう映画ではなかった。ゴジラでやる意味のある映画だった。
俺の趣味ツボに入ってくる映画だったよ。まさか零戦52型とか震電が登場するなんて......。
特に震電。
なんだろうね、この手の作品を作る人って震電を特別視している傾向にあるんだけど。
特別視して全然良いですって思いました。
試作機で終わった現実の震電ならここまで飛べたかわかりませんが......。現実ではこういう震電を見たかったというミリオタは実は多いのではないでしょうか。
52型は序盤だけの登場でしたけど、主翼の短さでもう52型って察しがついたよね。次の場面で映された推力式単排気管で確信です。ちゃんと好きな人が作っている感あるよね。
主人公は序盤は碇シンジ君かよ、あるいは俺かよってくらいヘタレだったのですが。(※でも現代的な視点で見るならああなるのが普通だと思う。仕方ないと思う)
物語が進んでいくにつれて家族を得て、守りたいものの為に戦う男になりました。俺ではなくなった。良い意味で碇君でした。
総合的に見ると『ハリウッド版ゴジラ(※マグロ食ってるやつは除く)を日本人が作るとこうなる』って印象ですね。
ハリウッド版ってあくまでも人間が話の軸にあるから。特に家族要素ね。
日本のゴジラは人間はおまけ要素なので。
しかし今作は人間の話だった。家族要素もあります。
これは米国ウケを狙っていそう。ゴジラのデザインもハリウッド版っぽいし。
今作のゴジラ映画としての系統は怪獣バトル系ではなくて、初代リスペクト系です。
ハリウッド版が怪獣バトルをやっている分、日本はしばらくは初代路線でいくのかもしれません。シンゴジラも初代系だったしね。
個人的には怪獣バトル系統のゴジラが好きなんだけど。
それでも満足だった理由は「戦闘機や戦艦の活躍」と「戦後混乱期という時代背景」と「主人公が元特攻隊員」という要素によるものですね。
ゴジラを仕留めた場面も、元特攻隊員とはいえ訓練された操縦技術と直線番長の震電の組み合わせだからこそ果たせた。
これが普通にゼロ戦だったら詰んでいたと思う。
震電の速度だからこそギリギリかわせた攻撃もあった。
「君の注文通りにあちこち探し回って戦闘機を見つけてきたけど......。あの、こいつはGHQに廃棄させられた中で運良く生き残っていたんだけど......。ちょっと変わっていてね......?」みたいな台詞が出てきたときは絶対震電だろって思ったけど、3秒後に震電出てきて笑った。震電はロマン。それを初見で乗りこなす主人公もロマン。
映画館も販売コーナーに震電のプラモデルを置いたらいいのに。絶対に売れると思う。ハセガワの1/72でいいからさ。
あんなにかっこよく震電が戦っている映画って時点でも価値がある。庵野秀明もニヤニヤしながら見てそうだよね。
まあ......ゴジラが主役の映画ではなかったので。ゴジラ好きの人からするとそこだけは注意かな。
ゴジラである必要はある映画なんだけど、ゴジラの出番は少なめだから。
私も旧日本軍機とか戦後混乱期とかに興味のある人として楽しめた感じなので。話の大筋は、敵前逃亡して仲間を死なせた特攻隊員が罪悪感と贖罪意識からゴジラを倒して立ち直るというものです。僕という人間を狙い撃ちにしてきたような要素満載な作品です。
この監督にしてこのゴジラあり、かな。ALWAYS三丁目の夕日の監督だし。
あと、主人公がなんとなく永遠の0の宮部久蔵を彷彿とさせたのも、この監督だからかも。
この監督がゴジラをやるとこうなるよなぁって。納得の山崎貴監督です。俺は好き。
まあ、シンゴジラのほうがもっと好きではあるけれど。シンシリーズは二回観たくなるからね。
上映2時間あっという間だった。退屈を感じる暇なんてなかった。Lサイズのコーラを飲み過ぎてトイレに行きたくなったけど、スクリーンから目を離せなくて我慢した。流石だよね。
いやー。いい映画だった。2000円払ったことも全然気にならない。2000円のプラモデルを買うのには迷うのに、この映画は全然後悔もなかった。
でも他人に勧めるときには山崎貴映画として勧めるかもしれない。そのほうがどういう方向に期待して観にいったらいいのか伝わると思うから。
以上です。次のゴジラ映画はいよいよ怪獣バトル系でもいいんじゃないかって思う。