ななころびやおき

気の向いたときに趣味で投稿します。ゼロ戦は21型が一番好き。

ソードワールド2.5のルールブックを買って、昔のTRPG挫折話を語る

KADOKAWA(富士見書房 ドラゴンブック)から『ソードワールド2.5 ルールブック』の1~3巻までを購入した。

 

TRPGのルールブックだ。10年ぶりに買った。

 

読んでみると......。ワクワクする。

 

そう。TRPGのルールブックは読んでいてワクワクするのだ。

 

TRPGとは? と思う人のために解説をしておくと。そういう、会話とサイコロと紙とペンによって進められるボードゲーム的なものがあるのだ。GMと呼ばれる司会進行役1名と、PLと呼ばれる参加者数名によって行われる。

 

僕達が普段慣れ親しんでいるRPGの始祖だったりする。TRPGをコンピューター上で再現しようとする試みが現在のRPGを作った。詳しくはWikipediaでも読んでほしい。

 

さて。2.0までは即買いしていた俺だったけれど。もうTRPGはやらないと思っていたから買わなかった。でも、読み専でもいいかと思って。(※読み専とは、TRPGを遊ぶことはないが、TRPGの本は好んで読む人のことを指す)

 

読むだけでも楽しいもの。使うだけが楽しみではない。TRPGのルールブックには世界観を感じさせる魅力が詰まっている。僕はソードワールドの世界観が好きだ。

 

 

 

今回は、僕が大学時代にTRPGで挫折したお話をしようと思う。

 

 

 

TRPGというものを知ったのは高校時代のことだった。

 

リプレイと呼ばれる、TRPGのプレイ風景を記録した読み物を読んだことがきっかけで「自分もやってみたい!」と思った。

 

さっそくルールブックを買って、周りを誘ってTRPGをやってみたのだが......。

 

僕も含めてみんな初心者だ。面白いのか面白くないのかよくわからない結果になった。

 

何度やってもそうだった。

 

僕には「このTRPGというゲームは面白いものだ」という確信があった。あっただけに、この結果は納得がいかなかった。僕達がTRPGのポテンシャルを引き出せていないのだと思った。

 

なので。大学に進学したときにボードゲームサークルに入った。

 

勿論、TRPGも取り扱っているサークルだ。経験者達のいる環境なら「本当のTRPG」をやれる。そう思っていた。

 

僕はそのサークルでGMもPLも経験した。いくつかのTRPG作品を遊んだ。一度のゲームで6時間以上はかかるこの遊びを、暇の許す限り続けていた。

 

でも、しっくりこなかった。やっぱり何かが違う。

 

最初は遊び方に問題があるのかと思った。当時主流だったキャラクターになりきるプレイ方法も、古臭いとされていたダンジョン攻略ボードゲームに徹するプレイ方法も、自分で考案した脱出ゲームっぽいノリのプレイ方法も試した。(※ちなみにキャラクターなりきりプレイは個人的に苦手だった)

 

しかし。「TRPGは面白い遊びのはずなのに、面白くない」と思い続ける結果になった。

 

俺はTRPGを面白いゲームだと思いたかった。

 

ルールブックに書かれている世界観はとても魅力的で。その世界観のなかで行動できる遊びなんて楽しいに決まっている。そのはずだ。

 

なのに。GMの立場でもPLの立場でも。楽しさを感じられない。

 

これじゃない、何かが違う。そういう食い違いを感じている。

 

諦めずに「自分が目指す面白いTRPG」を模索していけばいつかは「そこ」にたどり着いたのかもしれない。

 

しかし。結局のところサークル内での人間関係も苦になって辞めてしまった。

 

TRPGは面白いはずなのに。遊ぶと面白くない。

 

なんでだろう。当時空想が大好きだった僕としては最強のゲームだったと思うのだけど。

 

世の中で「TRPGは面白い」と感じてハマっている人達を見ると羨ましかった。彼らは成功したTRPGを遊べているのだから。僕は失敗したTRPGしか遊べていなかった。

 

でも、たぶん。このゲームは参加者同士の相性が面白さを左右するのだろうと思う。

 

これは人間同士の相性に関係なく楽しませてくれるゲームではない。映画のように受動的に楽しめるものではない。アスレチックのように能動的に楽しみにいかねばならないものなのだ。それも自分勝手に振舞うのではなくて、周囲への心配りをしながら。

 

これはコミュニケーションを主体として協力してミッションを達成するゲームなのだから。人間同士の相性は重要となる。

 

とはいえ。サークルのメンバー以外の、本当に仲の良い友達とやっても面白さを感じられなかったので。失敗の原因はそれだけではないのだと思う。僕自身にTRPGを楽しく遊べる才能がないのかもしれない。

 

なので。この時点で僕のなかにおけるTRPGとは「読むと面白いけれど、遊ぶと面白くない不思議なゲーム」となっている。

 

TRPGを遊んで楽しみたかったけれども。僕には読み専の適正しかないようだ。

 

もともとTRPGは万人受けするゲームではないとは言われているので。仕方ないといえば仕方ない。読み専で楽しめるだけ良いのかもしれない。

 

しかし。これほどまでつまらないTRPGを経験し続けても。それでもまだ。俺はもう一度TRPGをやって、今度こそ成功した面白いTRPGを体験したいと思ってしまっている。このソードワールド2.5で。

 

こういうことを言うとよく「それならアリアンロッド2Eやろうぜ!」とか「ダンジョンズ&ドラゴンズのほうがいいよ!」とか、他のものを勧めてくる人もいるのだけど。

 

違う。俺は世界観でやりたいTRPGを選ぶ人なのだから。どうしてもソードワールド2.5で遊びたいのである。

 

まあ、でも人見知りだからね俺って。いきなり知らない人と遊ぶコンベンションとかオンラインセッションとか無理なんですよね。詰んでる......。

 

知り合いを頼もうにもTRPGは人を選ぶから、誰でも誘えるわけではない。プレイ風景を見てドン引きする人も普通にいると思う。

 

それ故、TRPGは密室で行われるのだ。特になりきりプレイ中は絶対に部外者に自分を見られるわけにはいかない......。いや本当になりきりプレイ無理......。

 

どちらかといえば陰キャの遊びなのに、陰キャの苦手なコミュニケーションスキルを求めてくるゲーム。それがこのTRPGというゲーム。陰キャのなかでの陽キャにしか遊べないゲーム......。

 

ルールブックを読んで空想を膨らましているだけで俺は充分なのかもしれない......。

 

難しいゲームだよなぁ、TRPG。コリドールとかなら相手を選ばず楽しめるのに......。