ななころびやおき

気の向いたときに趣味で投稿します。ゼロ戦は21型が一番好き。

死噛~シビトマギレ~ プレイ感想

エクスペリエンスより発売された心霊ホラーアドベンチャーゲーム『死噛~シビトマギレ~』を全エンディング制覇で攻略したので感想を述べていきたい。

 

死噛とはどのようなゲームかというと、この世ならざる怪異による殺人事件を主人公が解決するよ、というものです。サイレントヒルとか好きな人には刺さる作風かもね。

 

この作品はシリーズ三作品目でして。一作目は『死印』、二作目は『NG』となっております。総じて心霊ホラーシリーズと言うらしい。もちろん全部プレイ済です。

 

以上、前置き完了。

以下、一作目二作目三作目を含むネタバレありの個人的な感想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

良かった点

・絹川みちほが可愛い。

・今回の怪異人形は味方だよ! やったね!

・ストーリーはミステリー要素もあって面白い。

 

悪かった点

・ホラゲーとしての恐怖度は前作、前々作に比べてレベルダウンしている。

・怪異のデザインはそれほど怖くなくなった。真正面まで怪異が迫ってきた時の、直視するほどに正気度が削られていくような見た目の怪異は今作では現れない。

・可愛らしい怪異人形が最後にラスボスとなって醜悪な姿を現して主人公に襲い掛かる......という一作目二作目にあったお約束がなくなった。

 

 

総評:前作、前々作と比べると怖くなかった。けれど面白かった。このシリーズを初めてプレイする人には好評になると思う。しかし、このシリーズのファンからすると不満は残るかもしれない。個人的にはまあまあ満足。

 

 

 

 

 

でも楽しめた。良かった。

 

死印による怪異事件を生き延びたものの、自分の立ち位置を決めかねていた主人公『九条正宗』がプロの怪医家として生きることを決意する物語だった。今後のシリーズ展開を見越してこういうお話にしたのだろうか。九条正宗はもうアマチュアの怪しいオカルト体質男ではないのだ。

 

怪異のデザインは落ちたなー、と思う。

これはシリーズを追うごとに思う。

 

一番怖いデザインの怪異は軒並み一作目『死印』にいる。どれも近づいてくるほどに「こっちこないで!!」となるデザインだった。間近まで迫ってきたときにしか見られない素顔もヤバかった。

 

今作ではそこまでのデザインの怪異はいない。常識の範囲のデザインというか、理解できるデザインというか......。原型を留めちゃっているのがなぁ......。原型の名残を察せられる程度のデザインが今作には存在しないのよ......。

 

それと恐怖演出も微妙になった。

 

探索中にもじわじわと迫ってくるような、恐怖を煽る話の展開がなかった。

いや、少しはあった。けれど、レベルは下がった印象だった。

 

前作、前々作は怖かった。今作は怖くなかった。

たぶんだけど、移動方法が今作から横スクロール移動になったからかもしれない。探索の舞台も減ったので、使い回しマップで刺激が少ないのもあるかもしれない。

 

おかげで移動中はまったく怖くなかった。このシリーズは移動すること自体が怖いのに、今作はただの作業移動になっていた。これなら今作も3DダンジョンRPGのような移動方法にしていたほうが恐怖演出しやすくて良かったのではないだろうか......。

 

けれど誤解しないでほしい。

 

ちゃんと面白かった。怖くはなかったけど、面白かった。基本骨子はシリーズを通して受け継がれている。前作、前々作でハマった人でも好む作風だ。

 

あと、今までとは違う挑戦をしたいという意思も伝わった。

ゲームシステムの変更もそうだし、ラスボスが物語序盤でいきなり本性の姿を現してくるストーリー展開も、今までとは違うパターンを試したいのだろうと感じた。

 

まあ、最初にラスボスであるシビトが現れて怪物の姿のまま 愛しき婿様 とか言ってきたときには「こいつが今回のヒロインなの......? マジで......?」と愕然とした。このシリーズってラスボス怪異=倒すべきヒロインなんだよね。こんな姿じゃ好きになれないよ......(とか思っていたら、まさかなぁ......)。

 

今作の怪異人形は味方だった。そこは嬉しかった。今までの怪異人形達は可愛いんだけど、理解し合えない相容れない人間の敵だったから......。言葉は交わせても心が異質すぎるというか......。

 

残念だったのはトゥルーエンドでは破壊後の復活はないので、今後は九条正宗のサポートをする相棒怪異人形になる......なんてことにはならない。しょーがない。エクスペリエンスとしては怪異と人間の馴れ合いはさせない方針なのだろう。

 

せめて絹川みちほは今後のシリーズでも登場させてほしい。彼女は九条正宗の嫁になれる存在だ。(堂領姫子から目を逸らしつつ)

 

絹川みちほが途中で死んだときは信じられない気持ちだったけど、生還してくれて良かった。用がなくても九条邸に遊びにくると言っていたけれど、どんどん来てくれ。学校を卒業してからもどんどん来てくれ。

 

むしろ卒業後成人してくれないと、常識のあるクソ真面目な大人の九条正宗は君に手を出さない。絶対に。だから、是非とも成人まで粘って恋を成就させてほしい。それはきっとシビトへの供養にもなるだろう。(堂領姫子から目を逸らしつつ)

 

いいゲームだった。もっと怖くていいけれど、新規参入者にもウケが良さそうなクオリティだった。良作。不満点もあったけれど、プレイ後は満足だ。定価で買っても惜しくないゲームだった。

 

製作陣は是非とも今後ともこの心霊ホラーシリーズを出していってほしい。四作目を楽しみにしています!!!!